パリ編 vol.5 ── 暮らすように旅する、祝日のパリで過ごした一日
今日は8月15日、
聖母被昇天祭でフランスの祝日です。
この日は、予約の要らない屋外の日にしていました。
街全体が混むし、
人気の屋内施設は特に厳しくなるからです。
結果的に、
今までの旅でいちばん予定が詰まっていない、
ゆったりした一日になりました。
そして、
この旅のテーマにしていた「暮らすように旅する」を、
体現できた日でもありました。
朝は、お気に入りのパン屋さんへ
朝起きて、
昨日見つけたお気に入りのパン屋さんへ9時頃に。
クロワッサンとアメリカーノの朝食をとりました。
一度ホテルに戻ってブログを少し書き、10時30分頃に出発。
星の王子さまのお店に行こうと思っていたのですが、
今日は祝日なので、
いつもは11時開店が13時開店になっていました。
まあ、時間はある。
だったらどこかに寄ろう、ということで、
まだ行っていなかったマルシェ(蚤の市)へ向かうことにしました。
予定になかった場所に、次々と出会う
適当に調べてマルシェに行ってみたら、
ちょうど近くにノートルダム大聖堂があることに気づきました。
そういえば見たかったな、と思って寄ってみたのですが、
今日は祝日でミサをやるからか、すごい行列。
とりあえず、外観だけ見ることにしました。
その後のマルシェは意外と小さくて、
一瞬で見終わってしまって。
どうしよう、時間が余っちゃうな、と。
そうしたら近くに、
サン・シュルピス教会(Église Saint-Sulpice)を見つけました。
ドラクロワの壁画があるところです。
試しに入ってみたら、そこでもミサをしていました。
本当に厳かな感じで、大きくて古い教会です。
まだ時間が余ってしまう。
そうしたら、
近くにリュクサンブール公園(Jardin du Luxembourg)がありました。
リュクサンブール公園でのランチ
本当は、
お昼にガレットを食べようと目星をつけていたお店がありました。
でも、この公園が、すごく素敵で。
今日はあまり気温も高くなくて、とてもいい風が吹いていて。
なんだかこの公園でランチを食べたら気持ちよさそうだな、
と思ったんです。
そこで急遽、
近くのパン屋でパンを買って、公園で食べることにしました。
2025年に賞を取ったパン屋さん
公園の近くに、バゲットやクロワッサンで2025年に賞を取った、
有名なベーカリーのLa Parisienneがちょうどありました。
そこで、
山羊のチーズとはちみつ、ルッコラとトマトが入ったバゲットサンドを購入。
カフェ・ノワゼットを初めて頼んでみた
コーヒーは、
せっかくなら美味しいものを飲みたいなと思って探しました。
候補が2つあって、ひとつは韓国系の方が経営しているお店。
でも、
せっかくフランスに来たなら本場のコーヒーを飲みたいと思い、
10分歩いて向かいました。
今日は、後に予定が詰まっているわけでもない。
こうやって、
ちょっと無駄かもしれないけれど、わざわざプラス10分かけて向かう。
こういう余裕って、実はすごい贅沢だと思うんです。
結局、そのお店は割と新しいスタイルのカフェだったので、
先ほどのパン屋さんに戻って、カフェ・ノワゼットを頼んでみました。
今までずっとアメリカーノを頼んでいたので、
たまには違うものを、と思って。
カフェ・ノワゼットは、
エスプレッソにミルクをちょっとだけ入れた、
見た目がヘーゼルナッツ色のコーヒー。
(ノワゼット=ヘーゼルナッツ、という意味だそう)
ものすごく小さくて、エスプレッソサイズ。
こんなに小さいんだ、とびっくりしました。(しかもアメリカーノより高い)
でも、まあいいか!
いつも同じものを飲んでいるより、
新しいものを試してみたほうがいい。
旅って、自分を広げる機会だから。
ちょっとだけだったけれど、とても美味しかったです。
フランスの蜂
ただ、
ひとつフランスですごく厄介なことがあります。
蜂がすごく多い。
今日も外でランチを食べていたら蜂が寄ってきたし、
この前コルシカ島でご飯を食べていた時も、
大量に蜂が飛んでいました。
インドのハエみたいに、蜂がすごく多いんです。
ハエも嫌だけれど、蜂は刺されたら怖い。
しかも、日本ではそんなに蜂がいないから慣れていない。
私のバゲットに来たので、
怖くて思わずバゲットを地面に置いてしまいました。
でもまだ半分くらい残っていたので、
少し間を置いて取り返して、
蜂が止まったところだけ捨てて、あとは食べました。
この蜂だけは、ちょっとどうにかしてほしい。
「暮らすように旅する」ということ
今回、
「暮らすように旅する」というのをテーマにしています。
いかにも観光客みたいなことは、あまりしたくない。
パリの人が、現地でいつもどういう生活をしているのか、
どういうことに喜びや楽しみを感じているのかを見たい。
そして、それを自分も体験したい。
今日、
公園でバゲットを食べていて、まさにそれができた気がします。
祝日なので、現地に住んでいる人たちは、
椅子に座ってチェスをしていたり、
ランニングをしていたり、子どもたちと遊んでいたり。
みんなそれぞれの休日を過ごしていました。
そういう姿を見られるし、その中に混ざってご飯を食べる。
フランスの生活を自分でも体験してみて、
その時間がとても心地よかったです。
星の王子さまのお店
その後、
13時になって星の王子さまのお店が開いたので行ってみました。
小さな通りにある小さなお店で、
私の目当てはポストカードでした。
というのも、
ここからポストカードを送れると聞いていたんです。
だから、フランスから日本に送れたらいいなと思って。
(結局お店からは送れなかったので、
切手を買って、どこかの郵便局から送るつもり)
本の中に出てくる有名なセリフがプリントされたポストカードがあり、
フランスバージョンで、
エッフェル塔やパリの国旗が載ったカードもあります。
2枚買ったのですが、
1枚は家族に書こうと思い。
そして、もう1枚は、
素敵な言葉だったので、自分用に取っておこうと思いました。
On ne voit bien qu’avec le cœur.
心で見なくちゃ、ものごとはよく見えない。
マレ地区と、3万歩の疲れ
その後、マレ地区へ。
本当は自分へのお土産として、
フランスでアクセサリーを買いたかったのですが、
あまりピンとくるものがなくて。
さらに、昨日3万歩も歩いた疲れが出てき他ので、
一旦ホテルに戻って、1時間ほど寝ました。
夜は、そば粉のガレットを
もうパリも残り少なくなってきたので、
Monoprixで買ってホテルでご飯、というのは寂しいなと思って。
ちょうど近くに評価がいいガレットのお店を見つけたので、
歩いて行ってみました。
普段なら頼まないけれど、
いわゆるフランスの伝統的な、
ハムとチーズのそば粉のガレットを頼んでみました。
すごくパリパリしていて美味しかった。
先日のお店よりも、味としては美味しかったです。
ただ、値段が比較的安かったこともあって、
野菜が全くなかったので、
ホテルに帰って箱買いしたミニトマトを食べました。
なんだかそれがちょうどいい感じ。
そして、案の定、このガレット屋さんでも蜂が群がってきて、
怖くて一旦退散しました。
凱旋門と、エッフェル塔のライトアップ
ホテルに戻ってから、
凱旋門とエッフェル塔を見に、20時頃に出発。
まずは凱旋門へ。
やっぱり実際に近くに行くと、
スケールが大きくて見応えがあります。
なんとなく、インドのインド門を思い出しました。
その後、電車で移動してエッフェル塔へ。
日没後(この日は21時6分)にライトアップが始まるのですが、
20時50分くらいに到着して、少し早かった。
小腹が空いたので、
近くでアイスを買って戻ったら、
もうライトアップが始まっていました。
最初は遠目から見て、
だんだん階段を降りてセーヌ川に近づいていく。
周りが暗くなって、
エッフェル塔のライトアップが鮮やかになればなるほど、本当に綺麗でした。
今日が祝日ということもあるのだと思いますが、
多くの人が集まっていて、
シートを敷いてご飯を食べながら見ていました。
改めて、
フランスの人たちの心の象徴なのだろうな、と感じました。
ミャンマーのシュエダゴン・パゴダのような、
心の拠り所みたいな部分もあるのかもしれない、と思いながら眺めました。
エッフェル塔が建てられた理由を調べてみた
エッフェル塔の経緯を調べると、これがまた面白いのです。
1889年のパリ万博の目玉
エッフェル塔が建てられた最大の理由は、
1889年のパリ万国博覧会の目玉を作るためでした。
1889年は、1789年のフランス革命からちょうど100周年。
第三共和政のフランスとしては、
「革命から100年経ったフランスは、これだけ近代化し、
世界トップクラスの工業・技術力を持っている」
ということを世界に見せる絶好の機会でした。
そこで万博のシンボルとして、
「当時の技術で、人類が見たことのない300mの鉄塔を建てよう」
という、とんでもないプロジェクトが始まります。
当時、高さ300mの建造物は存在していませんでした。
つまり、エッフェル塔そのものが、
巨大な技術デモンストレーションだったわけです。
最初は、撤去される予定だった
しかも、最初から永久保存する予定だったわけでもありません。
エッフェルには、
土地を利用する20年間の権利が与えられていて、
その後は撤去される可能性がありました。
ところが、無線通信のアンテナとして非常に有用だと分かり、
軍事通信や科学実験にも使われるようになったことで生き残ったのです。
建設期間は、わずか2年2か月5日。
1887年1月に着工して、1889年3月31日に完成しています。
昨日ヴェルサイユを見た後だと、象徴的
そして、
昨日ヴェルサイユを見た後に見ると、象徴的なのです。
- ヴェルサイユ … 革命で倒された、王権のフランス
- エッフェル塔 … 革命100年後の、共和国・科学・産業のフランス
同じ国が、100年ほどで、権力を見せる方法を、
宮殿から鉄と技術へ変えた。
そう思って見ると、
この2つは対になっている建造物なのだと気づきます。
この日、いちばん良かったこと
今日は、予定が決まっていなかったからこそ、良い一日でした。
星の王子さまのお店が開いていなかったから、マルシェに行った。
そこで思いがけず、ノートルダム大聖堂に出会った。
マルシェが小さかったから、教会に入った。
時間が余ったから、公園にたどり着いた。
そして、その公園では、「暮らすように旅する」を実現できた。
予定が空いていること、時間の余白があることで、
新たに出会える、予期せぬチャンスがあります。
人生に余白を持つことは、とても贅沢なものです。
